東習志野巨大マンション「ユトリシア」について考える: 2009年06月 アーカイブ

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2009年06月14日

実は「四塩化炭素」も出て続けていたと言う事実

平成21年6月9日の市議会一般質問の中で地下水から四塩化炭素 (しえんかたんそ) が
環境基準値を超えて検出されている事が公表され、翌日の朝日新聞に掲載された。


朝日新聞

↑<平成21年6月10日 朝日新聞 ちば首都圏版> クリックで拡大

「ユトリシアの地下水汚染問題について 現況と取り組みについて伺う 」
という質問に対し、市長は、

 「ホウ素の環境基準値 1mg/1Lに対して、
  H20年2月に 最高値 17mg/1L が出たE2については、
  2.7から9.2mg/1L の間で変動。やや下降傾向を示している。

  E2井戸浄化のために設置したS井戸については 5.6から7.6mg/1L 出ていて横ばいである。

  敷地南東にある5本の観測井戸については、第一、第二帯水層とも、基準値以下。

  建築における地下水汚染対策については今後とも県と協力して、
  長谷工コーポレーションに対して、工事による汚染拡大が無いよう、
  JFE建材に対しては、には効果的な浄化作業を引き続き指導。

と、答弁した。(ここでは四塩化炭素は出てこない。)

再質問で、「トリクロロエチレン等という物の中に環境基準値を超えているものがある
濃度を示して頂きたい。」

この質問に対し、環境部長から

 「ホウ素の他、トリクロロエチレンをはじめとする7種類の汚染物質が
  平成16年3月4日の段階で環境基準を超えて存在していた事が公表されていた。

  これらの物質について、敷地内の設けられた8本の井戸で地下水に含まれる濃度を
  JFEさんが毎月測定してその結果が、県・市に報告されている。

  直近の5月の状況は、トリクロロエチレン 3.6mg/1L
四塩化炭素0.076mg/1L、シス1,2-ジクロロエチレン 0.18mg/1L 出ている。
  この3物質が環境基準を超えている。残りの4物質は環境基準以下である。
  今後も効果的な浄化を指導監視をしていく。」

という答弁。


質問と答弁のやりとりの中で、以下の数値が示された。


シス1,2-ジクロロエチレン 浄化前(平成16年3月) 2.6mg/1L (65倍)
平成18年7月      0.37mg/1L (9.25倍)
平成21年5月      0.18mg/1L (4.5倍)

    (シス1,2-ジクロロエチレンの環境基準値は0.04mg/1L

四塩化炭素         浄化前(平成16年3月) 0.015mg/1L (7.5倍)
平成18年7月      0.053mg/1L (26.5倍)
平成21年5月      0.076mg/1L (38倍)

    (四塩化炭素の環境基準値は0.002mg/1L)


特に四塩化炭素が浄化前よりも増えていることに対し、環境部長は、

「地下水を吸い上げているので、井戸の方に引き込んでいるという
経過もあるかも知れないが、詳細についてははっきりわからない。
調査しながら観測を続けたい。」

「技術的な部分なので、関係者と協議をして検討したい。」

と、述べた。


分からないのなら、工事などしている場合ではなくて、
分かるまで調べるべきなのでは?

だいたい、市民は「トリクロロエチレン」や「ホウ素」以外にも
汚染物質が出続けていたことを知らない。

○JFE建材が汚染を発表した時に、地元住民に汚染物質の公表があった。
 JFEニュースリリース

○改良工事が終わったら住民説明会をすると約束があったのに、
 改良工事完了の説明は町会長止まりになっていた。

○平成19年1月 マンション建設計画があることを知って、
 住民は土壌・地下水汚染について市、長谷工、JFEに
 「どうなったのか」と聞いても「土壌改良は終わった」という答え。
 地下水汚染があるので今後も地下水浄化は続けるという市、JFEの答え。

○平成19年5月 地域住民が環境保全課へ説明を求めに行った際も
 四塩化炭素という単語は出なかった。

○平成21年2月 当初なかったとされていた帯水層からも汚染があった事を、
 市が主催して説明会を行った。
 「トリクロロエチレン、ホウ素の他に、基準値を超えていなくてもいいから 
 出ている物質があったら教えて欲しい」 という質問には、
 「今は資料がないので分からない」という答え。


確かに、元々出ていたものではあったようだが、
住民はずっと「トリクロロエチレン」と「ホウ素」の汚染という認識をしていた。

実は他にも汚染物質が出続けていた。

しかも、最初よりも増えているとは??

四塩化炭素は毒物及び劇物取締法では劇薬に指定されていて
国際がん研究機関はグループ2Bの「発がん性の可能性がある物質」に分類されている。

当然、自然界には存在しないものだ。


wikipedia「四塩化炭素」

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