東習志野巨大マンション「ユトリシア」について考える: 040JFE建材(旧・川鉄建材)により汚染されてしまった土地 アーカイブ

メイン

2008年09月20日

JFE跡地マンション建設現場 地下水汚染新聞報道

毎日新聞 平成20年9月10日

<毎日新聞 「習志野のマンション建設現場 地下水からホウ素」 平成20年9月10日> 
クリックで拡大


千葉日報 平成20年9月10日

<千葉日報 「民間井戸2本でも 習志野JFE工場跡地ホウ素検出」 平成20年9月10日> 
クリックで拡大


朝日新聞 平成20年9月11日

<朝日新聞 「基準超のホウ素地下水から検出 習志野の建設現場」 平成20年9月11日> クリックで拡大


東京新聞 平成20年9月11日

<東京新聞 「JFE跡地からホウ素 習志野工場環境基準地上回る」 平成20年9月11日> 
クリックで拡大


千葉日報 平成20年9月13日

<千葉日報 「ホウ素検出井戸を飲用水として使用 習志野市、健診実施へ」 平成20年9月13日> クリックで拡大


2008年06月27日

操業時のJFE建材(旧・川鉄建材)習志野工場

「ユトリシア」建設地は2003年まではJFE建材習志野工場だった。
JFE建材(旧・川鉄建材)は、昭和36年(1961年)から平成15年(2003年)まで操業。
主に浴槽を生産していた。
1950年代後半から1970年代にかけて各地に建てられた団地の浴槽の多くは、
川鉄習志野工場で生産され全国に出荷されたと聞く。

以下は操業時、2001年の建屋。↓(ZENRINより) クリックで拡大

JFE建材操業時の建屋


2003年、閉鎖時の配置はこんな感じ。↓(JFEプレスリリースより)クリックで拡大

配置


2005年、土壌汚染改良工事中の画像。↓(Googleより) クリックで拡大

土壌汚染改良工事中


当初、「住宅には不向きである」という事もあり、
株式会社ダイヤモンドシティ (2007年株式会社イオンモールに吸収合併) の、
ミニシアター等を含む大型ショッピングセンターという計画案があった。
しかし、既に近隣にはイトーヨーカドー、イオンショッピングセンター、マルエツなどの
大型商業施設があった事、地元商店街の反対があった事、習志野市自慢の
マラソン道路を分断しなければならない事などが理由で、大型商業施設の計画は流れた。

「住宅には不向き」とされていたはずなのに、その後この土地を買い付けたのは
長谷工コーポレーションだった。


2007年02月08日

汚染物質が埋められていた場所

平成16年習志野市議会第1回定例会会議録(第2号) からです。

(これは習志野市のホームページ、
市議会のコンテンツで公表しているものです。)


__________________________

平成16年3月8日(月曜日)

(略)

◆30番 
そのとおりじゃありませんか。公表することがまず大事なんですよ。
それが対策の第一歩ですよ。公表せずして対策はどこに立つんですか。
これは私は深刻な行政措置上の重大な誤りだと思いますよ。
住民は報道によって初めて知って、今さまざまな不安感に襲われてますよ、発がん性物質ですから。
そこで、土壌処理をこれからやるというんだけれども、
これは土壌の飛散だとかその他によって、周辺住民に影響はないんですか。
この点伺っておきたい。

◎環境部参事

(略)

 それと、先ほどトリクロロエチレンのいわゆる地下水の調査なんですけども、
周辺を含め習志野市はかなり前からやっていまして、
この周辺にはちょうど平成14年の9月に7件ばかりやったんですけども、
そのうちトリクロロエチレンが環境基準の0.03ミリグラム超えたのが
2件ございました。
そういうことで、そういう井戸につきましては飲用しないようにということで、
井戸の使用者と、それから持っている方にお話をして、
飲む場合には煮沸などして飲んでくれというお話をしまして、
その方は飲用には使ってないと、水道があるから大丈夫だというようなお話でございました。

(略)

◆5番

(略)

このトリクロロエチレンについては2件のうちからの検出があったという
先ほど説明がありましたけども、ふっ素や、それからほう素ですね、
これらについての土壌汚染というのは、近隣のお宅の土壌なんかへ
波及しているというようなあれはないんですか。

◎環境部参事
ほう素につきましては東側のお宅で、先ほどお話ししました14年の9月に濃度として4ミリグラム、
基準が1ですので、4ミリグラム。
それともう一軒のお宅ではトリクロロエチレンですけれども……、その1件だけ、
ほう素1件だけでございます。東側の一番近くのお宅で1件検出されています。


◆5番

(略)

あそこは敷地が7ヘクタールぐらいあるそうですから、
でもほうろうを製造していたのは3丁目寄り側なんですよね。
郵便局から東電へ抜ける通り側の方側がほうろう工場があったんですけども、
その汚染されているのは主に東側なんですか、これ、その、ほう素やふっ素は。

◎環境部参事

今ほう素といわゆるフリットかすですね、これを埋めていたところは、
いわゆる今お話しの北側のマラソン道路寄りでございます。
その当時はそこに最終処分にするという、埋め立てについてはですね、
基準、いわゆる規制対象になっておらなかったということで
そこに埋めておったんですけども、
今お話ししましたように、新たに土壌汚染対策が講じられまして
その中に規制項目として入ったということから、
昨年その分はすべて撤去いたしました
これは最終処分場、いわゆる産業廃棄物最終処分場の方に持っていきまして撤去しております。
それから、いわゆる敷地の中ですけども、何カ所かやっていまして、
そこでは特定されてないんですけども、
トリクロロエチレンも含めまして全般的に広がっていると
主にそのうちでも北側というんですか、北東の方です、
最終処分場あった今は北側の方が出ているというのが実態でございます。


◆5番
これはJFE建材の責任で調査がされてその処分をするということなんですが、
その他、やはり周辺に及ぼしている影響を本当にないのか、
これはもっと建材に対して行政指導をすべきだと思うんです。
そして市民に安心させてあげるといいますか、そういうことが必要だと思うので、
ぜひそれは運び出しをしたり、あるいは曝気してトリクロロエチレンについての
中和をすることの過程でも必要ですし、
終了後もきちっと対応していただくことを要望して終わります。

◎企画政策部長
御指摘いただきました点につきましては、JFEにお伝えをしてまいりたいと、
このように考えております。

__________________________


質問している市議会議員さん、答えている環境部参事さんの個人名は
削除して掲載させていただきました。
詳しくは 習志野市のHP > 市議会 > 会議の記録
 > 平成16年第1回定例会 > 第2号 平成16年3月8日(月曜日) をご覧下さい。


このやりとりを読んでいますと、規制対象の項目になるまでは
敷地内、北側に処分していたんですね。

汚染物質の処理

これは旧・川鉄時代の工場配置図(JFE建材のお知らせより引用)
なのですが、赤い枠のあたりが敷地・北東部分ですね。

2007年02月05日

川鉄習志野工場がしていた事

この地でJFE建材(旧・川鉄建材)操業を開始したのは昭和36年(1961年)。

JFE建材(旧・川鉄建材)習志野工場ではホーロー工場と角型鋼管工場があったわけですが
そこから出る人体に有害な汚染物質をずっと垂れ流していた訳です。

習志野市は水質汚濁防止法及び土壌汚染対策法に基づき、
監督官庁である千葉県と共同で、この地域にある工場に
土壌調査をするよう、平成6年に指導しています。

その結果、このJFE建材(旧・川鉄建材)習志野工場で土壌の汚染が確認されました。
トリクロロエチレンを主とした揮発性融合化合物による
土壌・地下水の汚染が環境基準を超えていました。

平成8年から揚水井戸による浄化を実施。

平成12年、土壌の環境基準にほう素、ふっ素が追加されました。

平成13年3月 日本鋼管ライトスチールとの合併合理化により、習志野工場が閉鎖されました。
この工場閉鎖を機に本格的な土壌・水質調査が平成13年11月から平成15年1月まで行われました。


その結果・・・・。


<工場内の土壌から>

フッ素    最大値で89mg/l   環境基準は0.8mg/l
ホウ素    最大値で355mg/l 環境基準は1mg/l
トリクロロエチレン 最大値で240mg/l 環境基準は0.03mg/l
他にトリクロロエチレンの不純物等として揮発性有機化合物4物質が検出

<工場内の地下水から>

ホウ素    最大値で36mg/l 環境基準は1mg/l
トリクロロエチレン 最大値で47mg/l 環境基準は0.03mg/l
他にトリクロロエチレンの不純物等として揮発性有機化合物6物質が検出


実に、環境基準の8,000倍もの発がん性物質であるトリクロロエチレンが検出されたのです。

8,000倍ですよ?
どんな数字なんですか。

しかもその調査結果は監督官庁が1年前にわかっていながら地域住民に公表してなかったのです。

公表が遅れた理由として県は、
「対策を完全に講じてから、そういう方向が出てから公表すべきではないか」
「敷地内ということで」
だそうである。

実際には隣接した戸建ての土地からも
トリクロロエチレン等が一部環境基準を超えたという事実があるのにです。


地域住民は何十年も汚染された土壌の近くに住み、
何も知らされないままでいたのです。


上記の記事は習志野市議会 会議の記録を参考にさせて頂いております。
JEF建材が発表したニュースリリース(PDFファイル:204KB)

2007年02月04日

環境改善工事の計画内容

******************************** 

JFE建材は、旧習志野工場から出る特定有害物質である
フッ素及びホウ素が環境基準値を超過した土砂、約120,000 m3を
22ヶ月かけてJFE スチール株式会社東日本製鉄所岸壁(千葉市)へ
運搬し、一時仮置、積替えて船舶にてセメント工場へ搬出する。
仮置き期間は1から2 日。

ダンプ・トラック受入台数:60から100 台/日
船舶(699t クラス):2から3 隻/週

搬出先 太平洋セメント(株)の各セメント工場(北海道、九州、その他)
(セメント原料として再利用を行う)

********************************


JFE建材は上記の計画を平成16 年8月6日に搬出先である千葉市長に提出しました。


それからというもの、工事休業日を除く毎日、
工場建屋を壊す騒音と振動、土を掘り返す振動、土ぼこりに悩まされました。
毎日100台近くのダンプが管理土と呼ばれる汚染された土砂を満載して
工場跡地から蘇我の岸壁に向かって行きます。
ダンプによる振動も凄いものでした。
中には非常に運転操作の荒い運転手さんもいて、
積んだ管理土がこぼれ落ちていたこともあります。

工事現場を足場を組んでシートなどで囲んでいましたが、
強風の時は足場ごと倒れ、元々あったブロック塀ごと10M近くに渡って
ハミングロード側に倒れてきたこともあります。
又、シートが風によってあおられて外れたり、バタバタバタとはためいて
しまって、その音の怖さで夜を過ごした事もあります。

本当にこの期間は振動、騒音、風、砂埃がひどかった記憶しかありません。
振動も色々あって震度5ぐらいの揺れや、
小さく細かい振動(例えて言うとしたら超音波のような)などがありました。
小さい振動というのは、とても気持ちの悪いものです。


その日の工事が終わってもまだ体が揺れていました。


2007年02月03日

環境改善工事の延長

平成17 年9 月、平成16年4月から22ヶ月の予定だった環境改善工事が
延長される旨、発表がありました。
対象土量が当初数量の約1.6倍に増加することが判明。

初めの予想が甘かったのか、それとも掘れば掘るほど
有害物質が出たのか、とにかく工事がさらに延びる事になりました。
7ヶ月の工事延長です。

平成16 年4 月より工事を開始し、平成17年9月末現在で予定工事の65%が完了とのこと。

予定取り扱い数量が
約120,000 m3 から約160,000 m3 (約40,000 m3 増加)に訂正されました。

1.6倍の誤差なんてあり得ませんね。
もちろん汚染された土砂はひとつ残さず改良していただきたいですが
それにより更に我慢の日々を強いられたのです。

2007年02月02日

工場周辺の健康調査

JFE建材習志野工場の敷地内から基準の8,000倍もの汚染物質が検出された訳ですが、
周辺住民への健康調査はあったのでしょうか?

答えはNOです。

特別な健康調査はありませんでした。

トリクロロエチレン等が確認された井戸の所有者や使用者に対し、
平成2年に習志野市で設置した
「トリクロロエチレン等地下水汚染健康調査委員会」において、
健康調査を実施しておりますが、現在に至るまで
健康に支障があるという報告は受けておりません。

(平成16年習志野市議会第1回定例会会議録(第2号) より)

つまり、この騒動が起きるずっと前の平成2年から
トリクロロエチレン等地下水汚染健康調査はしているが、
体の具合が悪いと言ってきた人はいない という意味ですね。

しかし自己申告ではなく、きちんと医学的に健康診断をすべきだと思うのです。

トリクロロエチレンだけではなく、フッ素、ホウ素などの量も膨大な訳ですが、
それらの人体への影響を病理学の面から検査して欲しかったです。

うちは井戸を所有していないので調査対象ではありません。

しかし、父親は平成2年(1990年)に肺がんにより64才で、
母親は平成11年(1999年)に胃がんにより67才で亡くなりました。
この家族が当地で生活をするようになったのは昭和46年(1971年)からです。
旧・川鉄が操業を始めて10年目の年です。

父親はここで暮らして19年、母親は28年で亡くなった事になります。

一概に工場からの汚染物質のせいとは言えませんが、
要因のひとつではなかったのかと思えてしまいます。

環境改善工事の工事完了のお知らせ

平成18年10月、町会の回覧板にてJFE建材からのお知らせが回ってきました。

以下の内容です。


***************************************
平成18 年10 月6 日
旧川鉄建材(株)習志野工場
ご近隣の皆様および関係者 各 位

JFE建材株式会社

旧川鉄建材(株)習志野工場
環境改善工事の工事完了のお知らせについて


旧川鉄建材(株)習志野工場ご近隣の皆様および関係者の方々におかれましては、
工場跡地の環境改善工事に関し、平素より格別のご理解とご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
本工事につきましては、平成16年4月より工事を進めてまいりましたが、このたび平成18年8月末をもって土壌の浄化工事が完了いたしました。
ここに工事完了のご報告を申し上げます。工事期間中、近隣の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしましたが、ご理解ご協力いただきましてまことにありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

千葉県及び習志野市には、土壌浄化完了報告書を提出し、9月末に浄化完了のご了解をいただきました。
なお、地下水浄化につきましては敷地東側と南側に揚水井戸及び浄化設備を設置し、
行政のご指導をいただきながら今後も揚水浄化を継続いたします。
浄化設備を設置しているこれらの土地は今後とも売却せず、引き続きJFE建建材(株)が保有いたします。

以上


***************************************


改善された各種の数値等は公表されていません。

揚水井戸及び浄化設備を設置し、
今後も揚水浄化を継続するという事は完全に浄化されていないという事なのでしょうか。

そして、これらの土地は今後とも売却せず、引き続きJFE建建材(株)が保有する
という文章に近隣住民はしばらくの間は更地のままなのだと、一安心しました。


*以下追記致します* (2/7)


この文章の解釈はこういう事ですね。

この敷地内の浄化設備を設置している東側と南側の土地は今後とも売却せず
引き続きJFE建材(株)が保有いたします。


私はてっきり、

「浄化設備を設置しているこれらの土地は」の これら が
敷地全体の事かと思っていました。

何度も読み返して気付きましたよ。
日本語が難しいのか私の読解力が乏しいのか(笑)
みなさんはちゃんと解釈できましたか?


Copyright ©2007-2011 東習志野巨大マンション「ユトリシア」について考える